Jack Whitten： The Messenger ハードカバー

「展覧会そのものと同じくらい洞察に富んだ一冊」- ArtNews

「MoMAでの特別な瞬間…壮大で魅力に満ちあふれている。歴史的で神秘的、個人的なメッセージを帯びた芸術を生み出す、抽象表現の頂点にふさわしいほど革新的な作家による作品群だ」- New York Times

「Jack Whittenという重要な抽象画家の回顧展は、私たちのレビュアーを圧倒した」- Washington Post

「分離された南部からニューヨークのアートシーンへ、そしてさらに先へと踏み出し、独自の制作プロセスを築き上げたアメリカ人アーティスト…その全貌が圧倒的な回顧展で示されている」- Wall Street Journal

編集：Michelle Kuo 寄稿：Glenn Ligon、Julie Mehretu、Anna Deavere Smith、Sampada Aranke、Mark Godfrey、Michael Duffy、Annie Wilker、Dana Liljegren、George E. Lewis、Richard Shiff

Jack Whitten(ジャック・ウィッテン)（1939-2018）は、世界に新しい「見る」方法を示した画家です。人種隔離が残る米国南部で育ち、1960年にニューヨークへ移った彼は、その後約60年にわたって、アクリル絵具やアフロコーム、静電印刷に至るまでさまざまな道具や素材を駆使して、独創的な制作技法を次々と生み出しました。生涯を通じて公民権と社会正義を訴え続けたウィッテンは、社会的なメッセージを伝えるために写実的な作品を求められる大きな圧力にも直面しましたが、抽象表現というかたちで示す啓示的な作品群を貫き、その結果、文化や社会、記憶との関係性を変えていきました。

本書は、MoMAで開催されたウィッテンの初の包括的回顧展に合わせて刊行された美しい図版満載の一冊です。Michelle KuoやJulie Mehretu、Glenn Ligon、Anna Deavere Smith、George E. Lewisら著名な作家・アーティスト・キュレーターによる主要な寄稿に加え、ウィッテンの独創的な技法や革新的な素材を解き明かす先駆的な技術研究、未発表のアーカイブ写真や資料、そして作家自身が綴った特異な歩みを振り返る文章も収められています。ウィッテンはアートを自らの「宇宙への羅針盤（compass to the cosmos）」だと表現していました。