Hilma af Klint： What Stands Behind the Flowers ハードカバー

1919年4月、スウェーデンの画家Hilma af Klint(ヒルマ・アフ・クリント)は、春の最初の花を描くためにアトリエを飛び出しました。10年間、鮮やかな幾何学的かつ有機的な形態で満たされた壮大なシリーズを制作し、抽象表現の先駆けの一つとされる作品群を生み出してきた彼女は、今度は自然界の研究に根ざした新たなプロジェクトに取り組み始めたのです。「私は地上の花を捉えようと試みる」と彼女は宣言しました。
その結果生まれた水彩画作品群《Nature Studies》は、100点以上の開花した植物を精緻に描いています。しかし、これらは単なる植物画ではありません。宝石のように鮮やかな花々のそばには、アフ・クリントが観察した被写体の精神的な特質を視覚化した抽象的な図形?謎めいた螺旋、的、入れ子状の四角形などが配されています。「植物の世界と魂の世界にはつながりがあることを示した」と彼女は記しています。
What Stands Behind the Flowersは、《Nature Studies》の初公開展に合わせて刊行されるもので、この特別な作品集とともに、アーティストの著作から新たに翻訳された抜粋も収録しています。エッセイ集では、《Nature Studies》の誕生背景や素材、哲学的な基盤を詳しく探り、最近発見された作品を含む関連作も紹介。彼女の植物学的知識の深さと重要性を明らかにし、この先駆的なアーティストの業績に新たな視点を提供する一冊です。
全272ページ、図版216点収録。
編集：Jodi Hauptman
エッセイ：Ewa Lajer-Burcharth、Laura Neufeld、Lena Struwe