Romare Bearden： Patchwork Quilt， One on One Series ソフトカバー

MoMAの所蔵作品の中から1つの作品を取り上げ、豊富な図版と生き生きとしたエッセイによって、その主題を詳細に照らし出し、その作品をアーティストの人生とキャリア、そしてより広範な歴史的文脈の中に位置づける「One on One」シリーズ。
本書は、Romare Bearden（ロメール・ベアデン）の 《Patchwork Quilt（パッチワーク・キルト）》 （1970年）を取り上げた一冊です。

ロメール・ベアデンの 《Patchwork Quilt（パッチワーク・キルト）》 （1970年）は、ソファーに横たわる女性の姿が印象的な作品ですが、女性が横たわっているキルトも同じくらいの存在感があります。キルトは複雑な抽象構図で組み合わされたパターン化された布でできており、観るものの目を惹く華やかさを感じさせます。
異質な色調と形が印象的でエレガントなコラージュとして組み合わされた 《パッチワーク・キルト》 は、ベアデンの芸術家としての才能を示す作品です。

若いころの彼は、自分の作品に人種やアイデンティティを反映させることを期待されることに抵抗を感じていましたが、アメリカ南部やニューヨークのハーレムという活気あるブラックコミュニティでの強い家族の絆や形成的な経験をもとに、ブラック・アメリカンの生活という主題を自分の言葉で表現するようになりました。
キュレーターのEsther Adlerによるエッセイでは、初期の具象的な作品から抽象的な実験的作品、そして最終的には彼の代表的なメディウムによる作品まで、べアデンの落ち着きのない創造性をたどっています。

本シリーズは、MoMAコレクションで最も愛されている作品を探求し、解釈するための貴重なガイドブックです。

48ページ、図版35。

著：Esther Adler