Frida Kahlo: Self-Portrait with Cropped Hair, MoMA One on One Series ソフトカバー

《Self-Portrait with Cropped Hair》では、フリーダ・カーロのいつもの鮮やかで豊かな色彩は抑えられ、中間色が用いられています。彼女の伝統的なテフアナの衣装は体に合わない男性用のスーツに置き換えられ、編み込まれた髪は床から這い上がり、椅子の周りをうごめく不思議な生命を持つ髪の毛に変わっています。それでも、この絵は間違いなくカーロの作品です。
1940年、夫であるDiego Riveraとの離婚を経て、カーロは自己表現の手段として自画像に向かい、人気の歌の歌詞が書き込まれた作品を完成させました。「見て、私があなたを愛していたのはあなたの髪のためだった。今あなたに髪がなければ、もう愛していない」という言葉です。
この作品には、ポピュラー文化やアーティストの私生活の細部にわたるさまざまな影響や引用が込められています。キュレーターのJodi Robertsによるエッセイは、この絵をメキシコ革命、シュルレアリスムの伝統、そしてカーロの歴史や彼女が築き続ける芸術的アイデンティティの文脈の中に位置づけています。全48ページ、図版35点収録。

「One on One」シリーズは、ニューヨーク近代美術館のコレクションから一つの作品に焦点を当て、じっくりと考察する連載です。豊富な図版と生き生きとしたエッセイで作品の詳細を明らかにし、作家の人生やキャリア、さらには広い歴史的背景の中にその作品を位置づけています。このシリーズは、美術館のコレクションの中でも特に愛されている作品を探求し、解釈するための貴重なガイドとなっています。
Jodi Roberts著