Sturtevant： Double Trouble ハードカバー

本書は、アメリカの美術館で開催された、Elaine Sturtevant （イレーン・スターテヴァント）の初の大規模な展覧会に合わせて出版されたものです。彼女を、芸術の制作、流通、正典化の側面を暴くためにスタイルを媒体として採用したアーティストとして紹介しています。

1964年以降、スターテヴァント（1924-2014）は、同世代の最も象徴的な芸術作品のいくつかを、オリジナリティと作家性を問うための触媒として使用しました。Jasper Johns（ジャスパー・ジョーンズ）やAndy Warhol（アンディ・ウォーホル）の作品をアレンジし複製することによって、ポップ・アートの視覚的論理を逆手にとり、美術史の仕組みをリアルタイムで探ったのです。
しかし、より有名な男性作家の作品の複製を制作したことによって、彼女はミッドセンチュリーのモダニズムやポストモダニズムのヒエラルキーから見過ごされてきました。その構造を明確に示したにも関わらず、これらの歴史の中では不在となってしまったのです。

本書では、スターテヴァントの全時代の作品と、彼女のアーカイブから未発表のドキュメントを、彼女の初期の反復作品と1998年以降に制作されたビデオ作品とリンクさせながら取り上げています。戦後のアメリカ文化の中に位置する、彼女のユニークな活動を包括的に紹介します。
192ページ、102図版。
編集：Peter Eleey
寄稿：Peter Eleey、Michael Lobel